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 ☆安室ワールドに圧倒されたステージ☆
 ゴールデンウィークまっただ中の5月3日ということもあって、会場となった国立代々木競技場第一体育館には、デビュー当時から応援しているコアなファンはもちろん、家族連れなど、老若男女、国籍問わずあらゆる人々で客席は埋め尽くされ、改めて彼女の人気の勢いや凄さを知った。

 開演時間になると、観客のテンションは否応無しに高まるなか、会場の照明が消えるとステージ脇に設置されたスクリーンから映像が流れ、そこからキュートな女の子が登場する。彼女が夢の世界を彷徨っていると、やがて『BEST FICTION』の世界へ誘われ、お待ちかねのショーの幕が開く、という流れになっているのだ。

 幕が開くと、キングサイズのゴージャスな椅子に腰掛け、ダンサーと共に登場した安室奈美恵。ベスト盤『BEST FICTION』に収録の「Do Me More」を、まるで女豹のような鋭さとセクシーさを放ちながらパフォーマンス。その威風堂々としたたたずまいに、観客の女の子からは「かっこいい!」というため息にも似た歓声が巻き起こっていた。その後、「Violet Sauce」やロック風にアレンジした「ALARM」、さらに「So Crazy」などを立て続けに披露してくれた彼女。筆者も、ヒールのある靴を履き、ダンサーとの一糸乱れない激しいダンスパフォーマンスをしながらも、息乱れぬボーカルを披露している彼女の姿に、メモを取ることすら忘れてしまうほど、釘付けになってしまった。つまり最初から、安室ワールドに圧倒され、引き込まれていたのだ。

   ☆自分が信じるよい表現(もの)を徹底的に追求☆
 序盤では、ハードで強い女性像を見せつけた彼女。続く「NEW LOOK」は、ハイヒールのセットから登場し、まるでクローゼットのなかから飛び出してきたような妖精のようなキュートなパフォーマンスを披露。そこでは「かわいい!」という歓声が巻き起こっていた。その後も、月のセットに腰掛けて、ピアノの美しい音色をバックにしっとりと歌い上げたバラード「Wishing On The Same Star」。ミラーボールがキラキラ光るなかで、ストリート風なスタイルに身を包み、アクティブなパフォーマンスを披露してくれた「ROCK STEADY」や「FUNKY TOWN」。また文字通りワイルドかつ、ダイナミックなパフォーマンスを披露し、圧巻だった最新シングル曲の「Dr.」と「WILD」。さらにガーリーなピンクのワンピと、ボブのウィッグを身にまとい登場し、会場を一瞬にしてクリスマスムードに一変させた「White Light」など、曲ごとに異なる表情を披露してくれて、彼女の多面的な表現力に、魅了されっぱなしに。

 そんなステージにおいて最も釘付けになったが、本編終盤で披露した「Top Secret」だ。ただでさえヒップホップのビートを用いたテンポの早い楽曲ゆえに、歌いこなすのは難しいはずなのに、彼女はクールな表情で、ステージに登場したポールをくぐり抜けたりしながら激しいパフォーマンスを披露していた。こんなハードなものは、マドンナやビヨンセといったアーティストのステージでも観た記憶がない。彼女は世界規模の実力を持つアーティストなのだと感じた。

 アンコールでは「CAN'T SLEEP,CAN'T EAT,I'M SICK」や「Baby Don't Cry」などのヒット曲を披露し、あっと言う間に終了した3時間に及んだステージ。そのなかで、彼女が(歌以外で)発した言葉は、最後の「ありがとう」のみだった。しかし、日常的な言葉を使って素顔をさらけださなかったことで、彼女が作り出すフィクションの世界を思う存分堪能することができたと思う。 と同時に、その完璧な歌やパフォーマンスはもちろんであるが、この先行きの見えない時代の中でも、自分が信じるよい表現(もの)を徹底的に追求していく。そのストイックで潔い姿勢もまた、彼女が多くの人を魅了させている理由のひとつなのでは?と感じた充実のステージであった。

今後、リリース予定のライブDVDにも注目が集まるだろう。  

(文:松永尚久)

都是新照片呢

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